2010年10月

「坂の上の雲」"軍神"広瀬中佐の恋人に秘密 旧ソ連が偽情報か

101018[1]日露戦争の英雄、広瀬武夫中佐の恋人、アリアズナの父親として知られるロシア海軍水路部長のコワレフスキー少将が実在しないことが、日露の研究家の調査でわかった。本当の父親はロシア海軍省海事技術委員会のコワリスキー大佐。機雷敷設の専門家で、広瀬が軍事知識を狙って近づいた可能性が高いという。ロシア海軍省の不手際が明るみに出ることを嫌った旧ソ連政府が、偽情報を流したために虚説が流布した、と研究家は推論している。
NHKドラマ「坂の上の雲」(原作・司馬遼太郎)にも登場する広瀬は、日露戦争の旅順口閉塞(へいそく)戦で、行方不明になった杉野孫七兵曹長を捜し続けたことが一因になって36歳で戦死。その勇気と人柄が称賛され、文部省唱歌「広瀬中佐」が作られるなど日本初の軍神として尊崇された。  軍人に妻子は不要という考えから独身を貫いたが、唯一の恋人がロシア滞在中に交際したアリアズナ。アリアズナは、ロシア海軍水路部長のコワレフスキー少将の長女とされていた。昭和36年に発行され、広瀬再評価の契機を作った元東大教授、島田謹二氏の『ロシヤにおける広瀬武夫』が根拠になっている。
この父親が実在しないことを突き止めたのはロシア外交アカデミーのスベトラーナ・フルツカヤさん。ロシア国立海軍古文書館などで調査した結果、該当する名前の士官は、広瀬がロシアに留学する9年前に死亡したコワレフスキー・ウラジミル・アレクサンドロビッチしか存在しないことを確認した。一方で、コワリスキー・アナトリー・アンドレビッチという名の海軍大佐の存在を発見。アリアズナという名の長女がいたこともわかった。  このアリアズナは、広瀬が31歳で知り合ったとされる1899年には23歳の適齢期で、アナトリーとアンドレイという弟がいた。『ロシヤにおける…』ではセルゲイとアナトリーという名の兄がいたと書かれており、家族関係が酷似していたことも判明した。
フルツカヤさんの調査結果に注目したのは日露文化センター代表の川村秀さん(77)。川村さんは2人の恋物語を初めて公にした昭和16年の『加藤寛治大将伝』で、アリアズナがコワリスキー嬢と表現されていることに疑問を持っていた。加藤は広瀬が水雷長を務めていた戦艦朝日の砲術長で、広瀬がアリアズナに書いた最後の恋文を預けた人物。アリアズナからの手紙を和訳した広瀬の自筆でも「アリアヅナ・コワリスカヤ(コワリスキーの女性形)」と表記していることも勘案し、コワリスキー大佐がアリアズナの父親と断定した。 コワリスキー大佐は機雷敷設の専門家で、海軍兵学校で教鞭(きょうべん)も取っていたため「その知識を狙って情報将校でもあった広瀬が近づいた可能性がある」と川村さんは指摘。架空のコワレフスキー少将の存在が生まれた理由については「旧ソ連政府が、日本の情報将校の接近を許したロシア海軍士官の存在を認めたくないため、島田氏の調査に偽情報を流したのではないか」と推測している。  フルツカヤさんと川村さんの調査結果と推論は23日、広瀬の郷里、大分県竹田市で開かれるフォーラムで発表される。
acd1010181307002-n1[1] ◇  【用語解説】広瀬武夫  明治元年生まれの海軍士官。日本海海戦の作戦を立案した秋山真之とは同い年で親交が深かった。ロシア留学、武官駐在を経て「戦艦朝日」の水雷長(少佐)として日露戦争に参戦。旅順港口を塞ぐ旅順口閉塞戦に2次にわたって参加した。閉塞船「福井丸」から退避中に部下の杉野孫七一等兵曹(戦死後、兵曹長に昇任)がいないことに気づき、沈没する福井丸内を3度にわたって捜索。その後、カッターボート内で敵弾を受け戦死し、中佐昇任。日本初の軍神とされた。
http://tea-time7.com/2010/10/post-55.html

郵便不正事件、逮捕時報道の課題を議論 マスコミ倫理懇

郵便不正事件、逮捕時報道の課題を議論 マスコミ倫理懇
 全国の新聞、出版社、放送局などでつくるマスコミ倫理懇談会全国協議会の第54回全国大会が9月30日、新潟市で開かれた。分科会では大阪地検特捜部による厚生労働省元局長の村木厚子氏=無罪確定=の逮捕当時の報道が課題となり、出席者から「検察の筋書きに乗ってしまっていなかったか、反省が必要だ」という意見が出された。

 特捜部は昨年6月、郵便不正事件にかかわっていたとして村木氏を逮捕した。村木氏は後に無罪が確定し、復職。主任検事による押収したフロッピーディスクのデータ改ざん問題も明らかになっている。

 しかし、逮捕当時は各社とも村木氏の不正関与の疑いを大きく報じた。分科会の出席者からは「そこまで無理な捜査をするとは思っていなかった」「特捜部から情報をとろうと苦労するうちに、特捜部と一体化してしまった」などと、捜査を疑問視する視点が欠けていたことへの反省の声が相次いだ。検察当局の見立てをうのみにしないよう、捜査対象者や関係者への取材が重要であることも確認した。出席した全国紙の司法担当記者は「頭の隅に無罪の可能性を置いて取材しようという空気を(社内で)共有するしかない」と語った。

 別の分科会では小沢一郎・民主党元幹事長を強制起訴するかどうかの判断が注目される検察審査会がテーマとなり、明石歩道橋事故やJR脱線事故をめぐる議決の取材にあたった神戸新聞社の霍見(つるみ)真一郎記者が経験を報告。「審査はブラックボックスの中だから議決の是非が検証できない」と課題を指摘し、任期終了後の審査員に記者会見に応じてほしい、などと提言した。



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